骨董を楽しむには、多少の知識が必要です。私自身万年初心者ですので、難しいことはわかりませんが、知っていることから、役に立ちそうな話題を選んでお伝えしたいと思います。動画を中心にしたわかりやすいものとなりますよう心掛けています。どうぞ、お楽しみください。
トップページ >> 美濃, 骨董初心者の知識 >> 骨董初心者の知識ー骨董の外側 桃山織部香合 共箱 箱書き
骨董初心者の知識。なんでも鑑定団で、箱はいいものですという、鑑定結果をあなたもお聞きになったことがあるのではないでしょうか。骨董の世界では、箱やそれをさらに包む風呂敷、仕覆など骨董そのものを覆うものも大切にします。
今回、ご紹介するのは、桃山織部の香合です。この香合には、まず、唐子の柄のかなり傷んだ風呂敷があります。その中に箱があり、箱の中に、仕覆を着せられて、香合がしまわれています。必要なものは全て備わっていると思います。
特に、この箱は上部に黒柿があしらわれています。そして、蓋の裏には大綱和尚の書付があります。さて、この書付が本物かどうかの確信は持てません。ためらいなく書かれており、まねて書いた印象は受けませんし、柏崎の茶道美術館で見た、大綱の書体と似てはいるようですが、確信はありません。
桃山時代か江戸初期に焼かれた、織部香合が、江戸の後期になり、箱があつらえられ、大綱の箱書きが添えられたと考えると、当時の人の息遣いまでが感じられるようで、わくわくします。
いかがでしょうか。箱などはそのものの素性を表すものとして、大切にされます。あなたも、気に入ったものを見つけた時には、その箱がどのようなものかにも、注意して見てみると、新しい楽しみが見つかるのではないでしょうか。