骨董を楽しむには、多少の知識が必要です。私自身万年初心者ですので、難しいことはわかりませんが、知っていることから、役に立ちそうな話題を選んでお伝えしたいと思います。動画を中心にしたわかりやすいものとなりますよう心掛けています。どうぞ、お楽しみください。
骨董の世界では、その物自体の他に、それを覆う外側の仕覆や箱、さらにその外側を覆う風呂敷も大切にします。そこには、そのものが伝わってきた歴史があるからです。 さて、今回ご紹介するのは、李朝の彫刷毛目の徳利の外側です。この徳利は大好きで自慢の一品ですが、箱はちょっと疑問符が付きます。徳利の高さに対して、ほんのちょとですが、低いんです。布でしっかり包むと、蓋がつっかえてしまいます。 ですから
焼き物には釉をかけたものと、かけてないものがあります。磁器は全て釉がかけてあると考えていいですが、陶器には釉のかかってないもの、釉をかけたもの、そして、今回ご紹介するように、意図して釉をかけてはいないが、自然にかかったものがあります。 山茶碗は中世に東海地方の窯場で焼かれたものです。素朴で釉はかかっていません。従って、自然にかかった釉薬が、人の意図とはあまり関係なく、美を表現しています。その
骨董、古美術、古道具と同じような意味の言葉があります。これらはどう使い分けるのでしょうか? 骨董にはもともとは、雑多で価値のないものというような意味があったようです。ですから、骨董集めには物好きという印象があると思います。 それに対して、古美術には古い価値のある美術品という意味が、元々あるのではないでしょうか。 古道具はどうでしょう。中古の道具ですから、ある意
骨董に関しての初歩的な知識をお伝えします。今回は、陶磁器の呼継ぎです。呼続ぎは欠けた部分の陶片が失われている時に、別の陶片を持ってきて補う方法です。呼んできて継なぐので、呼継ぎなのでしょうね。今回ご紹介しているのは、唐津の山盃の例です。一般的には、同時代の同じ場所の釉薬なども似たものを使います。
骨董の楽しみの中で、桃山の陶器は憧れのものだと思います。私も、志野を手にできるとは、思いませんでした。今回ご紹介するものは、自慢のものの一つです。 志野は、桃山から江戸の初期に美濃で焼かれた、日本初の白い焼き物です。白い釉薬のもっこりとした感じや、その下に垣間見える鉄絵の淡い味わい、もぐさ土と呼ばれる柔らかい土味を楽しみます。 桃山の志野で抹茶椀として作られたものは、国宝をはじめとして
骨董初心者のあなたに、骨董をさらに楽しむ、簡単な知識をお伝えします。今回は、こんにゃく印判と呼ばれる、古伊万里の技法です。伊万里の染付は、主に手書きで描かれましたが、いろんな印刷である、印判も使われました。その中の一つに、元禄ごろに用いられたという、こんにゃく印判があります。 こんにゃく印判と言いますが、こんにゃくに絵柄を彫って、印判にしたかどうかはわからないようです。というか、こんにゃくで
骨董初心者の知識。江戸の初期に始まった伊万里焼は、その後大量に焼かれるようになり、染付けの絵付けもスピーディーに行う必要がありました。多くは、決まった絵柄を代々受け継いで、模写して書かれたようです。初期から中期、後期と、時期に応じて、絵柄や様式の変遷がありますが、継続して描かれる絵柄も見られます。 今回の蕎麦猪口は、二つとも、中期の蕎麦猪口の特徴を備え、橙と思われる柑橘類が、同じような構図で
骨董初心者の知識。なんでも鑑定団で、箱はいいものですという、鑑定結果をあなたもお聞きになったことがあるのではないでしょうか。骨董の世界では、箱やそれをさらに包む風呂敷、仕覆など骨董そのものを覆うものも大切にします。 今回、ご紹介するのは、桃山織部の香合です。この香合には、まず、唐子の柄のかなり傷んだ風呂敷があります。その中に箱があり、箱の中に、仕覆を着せられて、香合がしまわれています。必要な
骨董初心者の知識。骨董を楽しむのに、知識はなくても、ただ感性だけで、好きなものを探し、見つけることもできます。それが、骨董の楽しみの神髄かもしれません。 そうは言っても、ある程度知識があれば、うんちくを語る楽しみも加わります。そんな意味で、万年骨董初心者の私が、知っている知識をお伝えしています。 今日は、伊万里の染付の技法のひとつである、墨はじきです。この技法は、古九谷様式と言われる、
骨董初心者も簡単な知識があると、興味の幅も広がりますね。 今日ご紹介するのは、蛇の目高台という高台の作り方です。 骨董初心者がよく手にする蕎麦猪口を例に説明します。 伊万里の蕎麦猪口で蛇の目高台が使われるのは、 江戸の後期からですから、蕎麦猪口を手にする時には、 ひっくり返して高台を見れば、骨董初心者でも、 後期のものであると、一目瞭然です。